はじめに
静かな秋の日、河口湖を訪れた。
澄んだ空気と穏やかな湖面は鏡のように静まり返っていた。
河口湖南岸にある道の駅かつやまには、人もまばらで、ゆっくりと時が流れている。
この場所はいつ来ても心を静かにしてくれる、そんな場所なのだろうーーそう思っていた。
けれど、今回の旅では「静」と「動」がはっきりと分かれた時間を体験することになった。
うの島-湖上の静寂と神秘
昼過ぎ、カヌーを漕いでうの島へ向かった。
沖に出ると、時折吹く強い風が湖面を揺らした。
鵜が水面を滑るように泳ぎ、少し離れたところでは白鳥と鴨が並んで漂っている。
湖の静けさの中に、穏やかな命の気配があった。
島に近づくにつれて、鳥の声と水の音だけが耳に届く。
観光客の姿はなく、脚を踏み入れた瞬間、時間が止まったような感覚につつまれる。
小さな祠の前に立ち、ただ風の音を聞いた。
うの島の森の中は木々が茂り、落葉する冬を除いては富士山は見えないという。
代わりに、この島に棲む大きな青大将が姿を現した。
自然の中に溶け込むというのは、こういう瞬間のことかもしれない。
大石公園-鮮やかさと喧騒の中で
翌日、同じ河口湖の北岸にある大石公園を訪れた。
富士山を背景に色づいた花々が並ぶフォトスポット。
そこには多くの観光客ーーそのほとんどが海外からの旅行者で、写真を撮り合う姿と笑い声であふれていた。
活気がある反面、昨日のうの島で感じた「静けさ」はもうなかった。
同じ湖の畔でも、こんなにも世界が違うのかと驚かされる。
旅先で出会う「静」と「動」は、どちらも河口湖の姿なのだと思う。

ふたつの景色が教えてくれたこと
うの島の静けさが、内に向かう時間をくれた。
大石公園の賑わいが、人と自然が交わる風景を見せてくれた。
海外からの旅行者たちは、日本の自然や文化を思い思いに楽しんでいた。
その姿を見ながら、「外から見た日本の良さ」というものを感じることができた。
旅をすることは、他の誰かの視点を通して自分の世界を見直すことでもある。
河口湖で出会った静と動の景色が、それを教えてくれた。
注釈
・訪問日:2025年10月下旬
・場所:山梨県南都留郡富士河口湖町(うの島・大石公園)
・撮影機材:Google Pixel 9 Pro
・関連リンク:富士河口湖町観光情報サイト